日本CKDコホート研究

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ごあいさつ

日本CKDコホート研究への期待

平成19年11月
日本CKDコホート研究会代表研究者
浜松医科大学第一内科学教授
菱田 明

現在、日本のみならず世界中で、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患に対する対策の必要性が認識されています。メタボリックシンドローム対策、生活習慣病対策に焦点をあてた新健診システムの開始など、はこの対策の一環として行われています。

こうした状況の中で、近年、「尿蛋白陽性など腎疾患の存在を示す証拠や、腎機能低下(糸球体濾過量として60ml/min/1.73m2以下)が3ヶ月以上続く慢性腎臓病では、脳卒中や心筋梗塞といった心血管系疾患になりやすい」、とする報告が多く出されるようになってきました。また、「慢性腎臓病の存在は、心血管系疾患の既往を有することや、糖尿病の存在と同程度、もしくはそれら以上に心血管系疾患の強い危険因子である」ことを示唆する報告も出されています。

さらに、透析患者数が26万人を超え、増加し続ける現状に対して、その危険因子である慢性腎臓病に対する対策の強化を求める声も強くなっています。最近の日本人での調査研究でも、慢性腎臓病の存在、すなわち「尿蛋白陽性や腎機能の低下」が末期腎不全や心血管系疾患の強い危険因子であることが確認されています。

しかし、日本人で腎機能低下が加速されたり、心血管系疾患が増加する糸球体濾過量のレベルが60 ml/min/1.73m2であるのかどうかは十分に検討されていません。また、慢性腎臓病の患者さんでもすべての人が末期腎不全に進むものではなく、また心血管系疾患を起こすものではありませが、日本人において、どのような危険因子を持つ人が末期腎不全へ進行したり、心血管系疾患を起こす危険が強いのか、についても十分には分かっていません。

こうした疑問に答えることが、慢性腎臓病対策を進める上で現在強く求められ、腎臓病研究者を中心として多くの研究が進められようとしています。

その中で、今回、こうした疑問に対する回答を用意するべく日本CKDコホート研究が開始されました。また、米国において現在進行中のCRIC(Chronic Renal Insufficiency Cohort)研究との比較において、日本人の特性も明らかにされることも期待されます。

このCKDコホート研究が日本人における慢性腎臓病の予後悪化因子を明らかにし、慢性腎臓病対策に寄与する貴重なエビデンスを生み出してくれることを願ってやみません。

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